リバースチャージ

電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準

電子書籍・音楽・高校の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置づけ、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が、役務の提供を行う者の事務所等の所在地から、「役務の提供を受ける者の住所等」に改正されました。

電気通信利用役務の提供に該当する取引
1、インターネット等を通じて行われる、電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエアなどの配信
2、顧客にクラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス
3、顧客にクラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
4、インターネット等を通じた広告の配信・掲載
5、インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(掲載料等)
6、インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
7、インターネットを介して行う宿泊予約・飲食店予約サイト(掲載料を徴するもの)
8、インターネットを介して行う英会話教室

該当しない取引例
1、電話・Fax・インターネット回線の利用など、情報伝達を単に媒介するもの
2、ソフトウエアの制作等(著作物の制作)
3、国外に所在する資産の管理・運用(ネットバンキングも含む)
4、国外事業者に依頼する情報の収集・分析等
5、国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等

事業者向け
広告配信、ビジネス用クラウドサービスなど
リバースチャージ方式
事業者が納税
消費者向け
電子書籍、音楽の配信、オークションサイト利用など
国外事業者申告納税方式
国外事業者が納税

課税売上割合が95%以上である課税期間、簡易課税制度を適用する課税期間
当分の間、事業者向け電気通信利用役務の提供をなかったものをみなす経過措置が設けられています。
課税売上割合が95%未満である課税期間
国内事業者は、国外事業者から受けた「特定課税仕入」の額を課税標準額に含めて納税する一方、「特定課税仕入」に係る消費税を仕入税額控除の対象として、納税額を計算します。

1、消費者向け電気通信利用役務の提供
登録国外事業者から購入した場合
仕入 1000   / 預金 1080
仮払消費税 80
未登録国外事業者から購入した場合
仕入 1080 / 預金 1080
2、事業者向け電気通信利用役務の提供
仕入時
仕入 1000   / 預金 1000
仮払(リ)80  / 仮受(リ) 80
決算時(課税売上割合70%)
仮受(リ) 80 / 仮払(リ) 80

消費税基本通達
(国外取引に係る仕入税額控除)
11-2-13 国外において行う資産の譲渡等のための課税仕入れ等がある場合は、当該課税仕入れ等について法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるから留意する。
この場合において、事業者が個別対応方式を適用するときは、当該課税仕入れ等は課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する。
(国内事業者の国外支店が受けた電気通信利用役務の提供)
11-2-13の2 電気通信利用役務の提供が国内において行われたかどうかについては、役務の提供を受けた者が法人である場合には、当該法人の本店又は主たる事務所の所在地が国内にあるかどうかにより判定するのであるから、例えば、内国法人の国外事業所等において受けた電気通信利用役務の提供であっても、原則として国内において行った課税仕入れに該当することに留意する。(平27課消1-17により追加、平28課消1-57により改正)
(注) 内国法人の国外事業所等で受けた事業者向け電気通信利用役務の提供に係る特定仕入れについては、法第4条第4項ただし書《課税の対象》の規定の適用があることに留意する。
(国外事業者が行う特定資産の譲渡等のための仕入税額控除)
11-2-13の3 国外事業者が行った課税仕入れであっても法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されるのであるが、当該課税仕入れが特定資産の譲渡等(法第6条第1項《非課税》の規定により非課税とされるものを除く。)のための課税仕入れである場合に、国外事業者が個別対応方式を適用するときは、当該課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する。(平27課消1-17により追加)

消費税の課税対象 4つの要件
1、国内において行うものであること
2、事業者が事業として行うものであること
3、対価を得て行うものであること
4、資産の譲渡・貸付、役務の提供であること